漢字小委員会について掲載しています。
トナン・大熊肇の(ほぼ文字についての)覚え書きです。 充分に検証していないこともありますので、眉につばをつけてご覧ください。 連絡先:hajimeアットマークtonan.jp(「アットマーク」を「@」に変えてください) 『文字の骨組み』2刷の間違いとご指摘 『文字の骨組み』初刷の間違いとご指摘 『文字の組み方』訂正箇所 先日(2017.9.30)桑沢デザイン研究所で行われた「佐藤敬之輔 再考 明日のタイポグラフィを考える」でのこと。 パネリストの葛西薫さんの「葛」はどの字体なんですか?という話題が出た。 つまり下部が「人+L(ひとかぎ)」なのか「ヒ」なのかという質問。 葛西さん曰く「どちらでもいいです」。 さすがに字体のなんたるかを知っている人だと敬服した。 葛西さんは子どもの頃、お母さんからは「メ+L(メかぎ)」だと教わっていたが、後に印刷物を見たら「人+L(ひとかぎ)」だった。それで手
あなたは、手書きで「木」という字を書くとき、2画目はとめますか? それとも、はねますか? ある70代男性に聞いた話です。男性の孫が小学1年生のとき、漢字テストで「木」の2画目をはねて書いてバツをもらいました。それを見た男性は「これはおかしい。自分が子どもの頃は確かに2画目をはねると教わった」と思いました。 それで、孫の国語の教科書を見てみると、2画目がとめてありました。男性は「今はこう教えるのか……」と思いましたが、納得がいかないので自分の書道の教本も見てみました。すると、2画目がはねてありました。これはいったいどういうことなのでしょうか? 話を続ける前に、次の漢字を“手書き”で書く場合、どちらが正しいかについて考えてみてください。 「糸」の4画目はとめる? はねる? 「牧」の3画目はとめる? はねる? 「切」の2画目は曲げてからとめる? 曲げてからはねる? 「改」の3画目は曲げてからとめ
新字の「戸」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「戶」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。でも実は、旧字の「戶」が、子供の名づけに使えた時期もあったのです。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、戶部に、旧字の「戶」が含まれていました。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、 そこでも旧字の「戶」が収録されていました。 昭和21年11月5日、国語審議会が答申した当用漢字表にも、旧字の「戶」が収録されていました。翌週11月16日に当用漢字表は内閣告示され、旧字の「戶」は当用漢字になりました。ただし、当用漢字表のまえがきには「字体と音訓の整理については、調査中である」と書かれていました。当用漢
千代田区立日比谷図書文化館は3月30日、日比谷コンベンションホールにおいて、文化庁文化部国語課 国語調査官の武田康宏氏を講師に迎え、「情報化時代に考えたい漢字の話」をテーマに講演会を開催し、年度末にもかかわらず200名が聴講に訪れた。 武田氏は、新聞、雑誌など一般の社会生活における漢字使用の目安として1981年に告示された「常用漢字表」の概念や2010年に実施された改定内容、また、情報化が進む現在、JISコード(第1〜第4水準)だけでも約1万にのぼる漢字が存在する中で、2,136字の「常用漢字表」を定めた理由などについて説明した。 さらに武田氏は、今年2月29日に文化審議会国語分科会がとりまとめた「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」(PDF)の内容についても解説。これまで手書き文字は、個人の習慣などの違いにより字体が異なるケースが多く、本来であれば問題ではない違いであっても、印刷
文化庁の文化審議会漢字小委員会は9日、漢字の手書き文字について、「はねる」「とめる」など細かい違いで正誤はなく、多様な漢字の形が認められていることを説明する指針案をまとめた。 今春までに指針の確定版を作成して文化庁ホームページに掲載し、書籍化も予定している。 現在の常用漢字表でも、漢字には様々な書き方があり、細かい違いは許容されるとしている。しかし、2014年度の国語に関する世論調査で、「はね」「とめ」や点の向きなどの違いで、人によって正しいと考える字形が違うことがわかった。 指針案では、点や線の「長短」「方向」「つけるか、はなすか」「はらうか、とめるか」「はねるか、とめるか」など、違いがあっても同じ漢字として認められる事例を示した。常用漢字表にある全2136字でも、1文字につき2~3個、手書き例を示した。 また、学校のテストなどでは、指導した字形以外の字形であっても、柔軟に評価するよう求
手書きした漢字の「とめ」や「はらい」など細かな点が、印刷された文字と違うという理由で戸籍などの窓口で認められずトラブルになるケースがあるとして、文化庁の審議会は、手書きの漢字の多様性を広く知ってもらおうと、詳しい解説書を作成する方針をまとめました。 例えば「令」という漢字は、印刷文字では書き順の最後の一筆が垂直におろされますが、手書きではカタカナの「マ」のように書くことがあり、どちらも間違いではありません。しかし、漢字の書き取りテストや戸籍などの行政窓口、それに金融機関の窓口で、印刷文字と違うという理由で認められずトラブルになるケースがあるということです。 文化庁の審議会は、こうした現状を受けて、手書きの漢字の多様性を広く知ってもらおうと、詳しい解説書を作成する方針をまとめました。パソコンや携帯電話の普及で印刷文字を中心とした生活になっているからこそ、手書きの文化を守るために、細かな点にこ
新字の「猫」は常用漢字なので子供の名づけに使えるのですが、旧字の「貓」は子供の名づけに使えません。「猫」は出生届に書いてOKだけど、「貓」はダメ。どうしてこんなことになっているのでしょう。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されており、新字の「猫」が犬部に含まれていました。しかし、旧字の「貓」はカッコ書きにすらなっておらず、標準漢字表のどこにも収録されていなかったのです。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも新字の「猫」だけが収録されていて、旧字の「貓」は含まれていませんでした。 昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表を、文部大臣に答申しました。この当用漢字表で、国語審議会は、新字の「猫」を削除してしまいました。当用漢字表
「保」という字を書くとき、右下は「木」? それとも「ホ」? 実際はどちらも正しいものの、こうした漢字の書き方について、どちらが適切と考えるかは世代によりばらつきがあることが、文化庁の国語に関する世論調査で分かった。 調査は今年1月から2月にかけ、全国の16歳以上の男女3493人を対象に行われ、1942人が答えた。 手書き文字の字形の違いに対する感じ方を調べたのは初めて。常用漢字表でどちらの書き方も認められているが、「保」については、20代の8割以上が「木」だけが適切と答えたのに対し、70歳以上の7割は「ホ」だけが適切と回答。また、「木」の縦棒は65%が「とめる」方が適切だと答えたが、70歳以上は3割超が「はねる」が適切とした。「女」の「ノ」の形が横棒の上に出るか出ないかという問いには60・4%が上に出る方だけが適切と答えたが、50代の4割強は出ない方だけが正しいとした。 同庁の担当者は「回
文化審議会の漢字小委員会は20日、「令」や「保」など、活字と手書きで字体が異なる常用漢字について、解説書作成に向けた議論を始めた。パソコンの普及で活字の漢字に接することが増えたが、学校の授業や役所に届け出る書類は手書きの漢字を使
2010年11月30日、改定された常用漢字表が内閣告示され、196字が新たに追加されました。 このコーナーでは、漢字研究の第一人者であり、文化庁文化審議会国語分科会漢字小委員会委員として常用漢字表の作成にもたずさわってこられた阿辻哲次先生(京都大学大学院教授)に、常用漢字に仲間入りした漢字の由来や興味深いエピソードを綴っていただきます。 第1回 お稽古とご褒美の関係 第2回 憂鬱は酒ではらせ 第3回 メン喰いについて 第4回 三日目は「臼」 第5回 闇夜と暗夜 第6回 「憶病」と「臆病」 NEW (第7回は9月9日にメールマガジンで配信します) ■阿辻 哲次(あつじ てつじ) 1951年大阪府生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授、光村図書小・中学校国語科編集委員。文化庁文化審議会国語分科会漢字小委員会委員として「改定常用漢字表」の作成にも参加。
戦時中の1942年(昭和17年)6月17日、国語審議会が「標準漢字表」を文部大臣に答申している。この標準漢字表は、 常用漢字 1134字 準常用漢字 1320字 特別漢字 74字 の3つからなり、計2528字が含まれている。 この「いくつかの区分からなる漢字表」という発想は、この前の常用漢字改正の議論でも参考として採り上げられたりしていた。自分もそこで標準漢字表の存在も知ったのだが、ただそれだけだと思っていた。 が、『国語審議会─迷走の60年』という本を読んでみたら、この標準漢字表は同年12月4日に早くも修正され、常用漢字・準常用漢字・特別漢字という区分は消滅していたらしい。文字数も2669字になっている。 さて、標準漢字表は、答申を受けた文部省が修正をくわえ、一九四二年十二月四日に閣議決定をみた。その漢字表を『週報』(情報局編輯)一九四二年十二月二十三日号に掲載した際の文部省の解説では「
2010(平成22)年11月30日の内閣告示で、常用漢字表が改定されました。 このページでは、この改定内容についてポイントをまとめました。 なお、この改定ポイントをまとめたリーフレットのPDFもご利用いただけます。 リーフレット『新「常用漢字表」の主な改定内容』(PDF) 中国で生まれた漢字は、大昔の書物でしか使われていないような字や現代の情報化社会の中でも日々生み出されている字まで、数万字あります。それを私たちが公の場で好き勝手に使うと、世の中に難しい漢字があふれて、伝えたい情報がうまく伝わらなくなるおそれがあります。 そこで、一般社会においてよく使われている漢字を選定して、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など」の公共性の高い場では、それらの漢字を「目安」として使うようにしようと国が定めているのが、「常用漢字表」です。 その常用漢字表が、じつに29年ぶりに改定され、平成22年11月30
2010年11月に改定常用漢字表が告示されたが、これはDTPの現場にどのような影響を与えるのか。OpenTypeフォントとの関係について考えてみる*1。以前は特に意識しなくても、常用漢字表の字体(通用字体)が表示・印刷されるのは当たり前だった。今は違う。 まず、「常用漢字表とJIS90のグリフが異なる例」に注意が必要である。以下の図では、赤枠が常用漢字表のグリフ。JIS90基準フォント(名前にNの付いていないフォント)をシフトJIS環境で使った場合、下図「常用漢字表とJIS90のグリフが異なる例」の文字は、基本的にグレー枠のグリフで出力される。また、常用漢字の通用字体と印刷標準字体が一致しない例にも注意。改定常用漢字表で新たに追加された文字は、原則としていわゆる康熙字典体を採用しているが、「曽痩麺」の3文字は例外。 名前にNの付いているフォント(JIS04基準フォント)では、下図青地のグリ
22文科初第1837号 平成23年3月30日 各都道府県教育委員会殿 各指定都市教育委員会殿 各都道府県知事殿 附属学校を置く各国立大学長殿 構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長殿 文部科学省初等中等教育局長 山中 伸一 文部科学省では,平成22年11月30日付け22文科初第1255号で「常用漢字表の改定に伴う中学校学習指導要領の一部改正等及び小学校,中学校,高等学校等における漢字の指導について」通知したところですが,このたび,常用漢字表の改定に伴って追加された常用漢字の音訓及び付表の語(以下「追加音訓等」という。)についての小学校,中学校及び高等学校等の各学校段階ごとの割り振りを,別添のとおり取りまとめましたので,お知らせします。 ついては,下記事項を御了知の上,各都道府県教育委員会におかれては,所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対し,各指定都市教育委員会に
モリサワ 第4回モリサワ文字文化フォーラム 「現代日本の漢字文化」 ー新しい常用漢字をめぐってー 開催のお知らせ | 企業情報 | 株式会社モリサワ 株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25 Tel.06-6649-2151 代表)は、第4回モリサワ文字文化フォーラム「現代日本の漢字文化」ー新しい常用漢字をめぐってー を4月21日(木)に開催することを発表します。 本講演では、昨年11月に29年ぶりに改訂された「常用漢字表」について、文化審議会国語分科会委員としてこの作成に参画された京都大学大学院人間・環境学研究科の阿辻哲次教授に、“ なぜ今改訂が必要だったのか、またその改訂の目的は何だったのか”など、実際に携わった経験からのお話を伺うプログラムとなっています。 第4回モリサワ文字文化フォーラム 「現代日本の漢字文化」ー新しい常用漢字をめぐって
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