« 社会現象としての文字(2) | Main | 書けない常用漢字 » 2006年11月13日 …【社会現象としての文字】 社会現象としての文字(3) 甲骨文字の字形バリエーション 前回は「鳳」の文字のバリエーションを紹介した。次図はいずれも「龍」を表わす甲骨文字である。 時代によって,あるいは書き手によって,あるいは状況によってさまざまに変化しているのであろう。ただ,これらの「筆法」の違いを構造的に説明できるだけの知識は持ち合わせていない。これらの差を今風の「字体差」と決め付けてよいのかどうかさえ定かではない。 次の図は同じ義を持つ甲骨文字であるが,ちょうど鏡面対象になっている文字の例である。これも今風に言えば異体字であるが,甲骨文字ではそうとも言えない。 前回にも述べたように,甲骨の種類や形状によって行の進行方向も変わるのであるが,鏡面対象文字の存在は,このこととまったく無縁とは