第 1 回 文と字と──六書の形成 1 文と字と 膨大な字数の漢字ですが、大きく分けると「文」と「字」になります。「文」は、これ以上分解できない単体の文字、「字」は、「文」を組み合わせて作られた複体のものをさしています。最初に「文」が作られて、それを基にして「字」が作られたとされています。全部合わせて「文字」になります。ちなみに「名」は文字のふるい言いかたです。 「文」とは着物をかさねて胸元で襟がきれいにそろった象形で、「あや」すなわち、模様、飾りをあらわしています。「字」とは家の中で子供を養い育てる意味をあらわす形声で、生む、増えるということをあらわすようになり