戦後間もない1946年に,一般の社会生活において現代の国語を書き表す漢字の範囲を示すために「当用漢字表」が制定され,漢字は「当用漢字表」に載っている1850字を使用するという意識が一般に強くなったといわれています。それに代わって1981年に公布された「常用漢字表」には,漢字が1945字掲載されており,これを「常用漢字」,「表内字」と呼ぶことがあります。その「常用漢字表」に含まれていない漢字を,「常用漢字表外字」,略して「表外字」または「表外漢字」と呼びます。「誰」「頃」「迄」「岡」「藤」「弘」などがその例です。 「常用漢字表」は,「当用漢字表」でいう漢字の「範囲」ではなく,「目安」を示したものであるために,表外漢字の使用が増える傾向が生まれたといわれています。さらにそれと前後して,日本語ワープロに代表される電子機器において「仮名漢字変換」などの方法で,表外漢字も比較的簡単に入力できるよう