根性論を持ち込む上司は「みんながやる気を出せば、すべてがうまくいく」と考えがちだが、こうした思考回路の根底にはしばしば「~だったらいいのに」という願望と現実を混同する傾向が潜んでいる。「すべてがうまくいけばいいのに」という願望と「すべてがうまくいく」という現実を混同するわけで、これを精神医学では「幻想的願望充足」と呼ぶ。この「幻想的願望充足」は子どもに認められることが多いが、成長するにつれて否が応でも目の前の現実と向き合わざるを得なくなると、次第に影を潜める。 ところが、なかには大人になっても「幻想的願望充足」を引きずっている人がいる。これは、目の前の現実を受け入れられず、直視したくないため、つまり現実否認の傾向が強いためと考えられる。 現実否認の傾向が強いほど、自分が若い頃気合と根性で営業成績をあげた過去の栄光をしきりに持ち出す。この部長も、「あの頃俺はすごかった」「自分が○○の契約を取
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