10月に起こった金融不安の影響で1ドル90円台半ばの円高が続いているにもかかわらず、低迷する海外旅行が復活する兆しはない。好調なのはウォン安の著しい韓国ぐらいなもの。原油の値下がりにより、燃油サーチャージが引き下げられそうな気配もあるが、何より先の見えない不況下で「これから海外旅行に行こう!」という人はそういないのではないだろうか。 そんな中、海外旅行者にとって新たな負担が生まれている。旅行会社が海外航空券を手配・販売する際に「手数料」を上乗せし始めたのだ。すでにエイチ・アイ・エスは今年6月から、JTBや近畿日本ツーリスト、日本旅行では10月から「手配手数料」の収受を開始している。「手配手数料」とは、旅行会社が利用者の要望に基づいて海外航空券を手配する"手間賃"なのだが、なぜ今になって手間賃を上乗せする必要がでてきたのだろうか。 旅行会社の手数料徴収--背景は航空会社のゼロ・コミッション化