ミャンマー西部のラカイン州には、イスラム教を信仰するベンガル系住民「ロヒンギャ」の居住区がある。ゲットーのように、外から隔離されているのが特徴だ。仏教徒のミャンマー人や外国人は原則入れない。筆者は、ラカイン州の州都シットウェにあるロヒンギャ居住区に潜入できた。ロヒンギャの暮らしぶりをレポートする。 ■「ロヒンギャに殺されるぞ」 ミャンマーの最大都市ヤンゴンから飛ぶことおよそ1時間半。シットウェの空港に降り立つと、許可なしでは入れない地区をひとつひとつ書いたボードが目に入る。その中には難民キャンプ(ミャンマー政府はロヒンギャに国籍を付与していないため、ミャンマー国内にロヒンギャの“難民キャンプ”がある)ももちろん含まれる。 シットウェ中心部の中級ホテルにチェックインした私は、リセプションで尋ねてみた。 「ロヒンギャのコミュニティに行きたい。どうすればいい?」 すると従業員からこんな言葉が返っ