乳幼児を激しく揺さぶって頭部にけがをさせる「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」で保護者が逮捕される事件が後を絶たない。ただ、家庭内のため事実認定が難しく、公判で無罪を主張するケースも多い。大学教授や弁護士らは「症状と揺さぶりをつなげるには科学的に十分な根拠がなく、冤罪(えんざい)を生む可能性がある」として、虐待が疑われた被告らを支援するプロジェクトを始めた。 【乳幼児の揺さぶりが疑われた主な裁判】 甲南大法学部の笹倉香奈教授と大阪弁護士会の秋田真志弁護士が中心となり、10月25日にホームページ(http://shakenbaby-review.com/)を開設した。「SBS検証プロジェクト」の名称で、全国の弁護士や大学教授ら約20人が参加して勉強会を開いたり、弁護活動をしたりしている。 SBSは、(1)脳と頭蓋骨(ずがいこつ)をつなぐ静脈が揺さぶりで切れ、脳内に血がたまる硬膜下(こうまくか