市は対話を通じて五輪開催の意義に理解を得た上で、招致の賛否を問う意向調査を行うとしていたが、市民の理解が広がっていないとして先送りを決めた。
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東京オリンピック・パラリンピック開催をめぐって、昨年末、大会組織委員会や広告最大手・電通、その他広告大手やイベント会社が絡んだ談合事件が発覚した。この問題が明るみに出て以降、東京地検特捜部や公正取引委員会が珍しく捜査を展開してきた。そして2月末には談合を主導した電通をはじめ関係企業6社と、組織委元次長を含む関係者7人が独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで刑事告発され、その後起訴された。独禁法違反で広告業界が刑事処分を受けるのは初めてのことだ。東京オリンピックをめぐっては、大会が開催されて1年半以上が経過してもなお、不正が次々と明るみに出て、日本は世界に恥をさらし続けている。それでもなお性懲りもなく2030年の札幌オリンピック招致を進めている。「平和の祭典」や「選手ファースト」など忘れ去られ、巨額の公費に一部企業が群がる「汚れたちの祭典」と化した現実が浮き彫りとなっている。 入札は形だけ
東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会スポンサーに選定されたAOKIホールディングス(HD)側が大会組織委員会の会長を務めていた森喜朗元首相(85)に現金を渡したとみられることが1日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、現金の趣旨や提供時期について慎重に調べている。森氏のがんに対する見舞金の可能性もあるという。 森氏はAOKIHDが2018年10月にスポンサーに決まる前、組織委元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=の紹介で、AOKIHD前会長の青木拡憲容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=と面会したとされる。特捜部は高橋容疑者による紹介が、AOKIHD側への便宜供与に当たる可能性もあるとみて捜査。その場でスポンサーに関するやりとりがあったかどうか確認を進めるとともに、AOKIHD側の森氏に対する現金提供との関連も調べる。
札幌市が20日開会予定の定例市議会に提出する本年度一般会計補正予算案に、2030年冬季五輪招致の賛否を市民らに問う意向調査の経費計上を見送る背景には、市民の支持が想定以上に広がっていないことがある。意向調査を開催都市の内定までに行うのは厳しくなるが、理解が進まないまま急いだ結果、反対が多数を占めるようなことがあれば、34年大会以降の招致の可能性も失いかねないという危機感もにじむ。...
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