関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働をめぐり、野田政権が迷走を続けている。前提として、電力は足りているのか、いないのか。東京電力への批判とは切り離して、日本の直面するリスクを冷静に把握しておきたい。 原子力発電所の再稼働をめぐって、「実際には、電力供給面でのリスクなど存在しない」、「リスクを煽るのは原発を再稼働させたいがための陰謀だ」、「そもそも東京電力による昨年の計画停電自体が、同様の陰謀だった」、などの意見がある。これらの見解は間違っており、電力供給リスクは実在する。 東京電力・福島第一原発事故以降、多くの国民は節電に積極的に取り組んでおり、大きな成果をあげている。節電自体は大切であり、さらに取り組みを強める必要がある。しかし、家庭で3割節電できたとしても、原発をなくせるとは限らない。なぜなら、わが国の電力市場で家庭用需要は約3分の1を占めるに過ぎず、残り3分の2を占める産業用需
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