池田純一『ウェブ×ソーシャル×アメリカ――〈全球時代〉の構想力』(講談社現代新書) 著者の池田純一さんの存在を知ったのはいつだったか。確か「iPadを待ちながら:我々はどれくらい自由であるべきなのか」を書く少し前だったと思う。以来その見識を参考にさせてもらっているが、著書が出たので買ってみた。本書については江渡浩一郎さんが最新号の『新潮』に書評を書いているそうなのでそちらも読んでみるつもり。 書名だけ見て、またアメリカのソーシャルネットサービスをしたり顔で解説する新書かと思われる人がいるかもしれないが、そんなちょろい本ではまったくない。 本書は、Google と Apple がウェブにおける二強であり、そのウェブは成熟という名の曲がり角にあるという現状認識(クリス・アンダーソンの "The Web is dead" 論など)に始まり、アメリカの東海岸と西海岸、現在から90年代から19世紀ま