「蟹を見張る仕事には未来が見えません」 最近やたら無断欠勤が続く若い部下の口から、そんな言葉を俺は聞かされている。 その手の賢しげな諦観は聞き慣れている。 不平、不満、絶望、この世のありとあらゆるネガティブなものを吐露する若者。 それを受け止める上司たる俺。 そうして俺の中にたまったネガティブはいったいどこの誰にぶちまければいいのだろう、と思いながら俺は若者の澱んだ瞳をながめている。 俺が誰かに不平を漏らす。 すると、その誰かが他の誰かに不満をぶつける。 そうやって続く果てしない連鎖の果てに、ありとあらゆるネガティブなものが流れつく砂浜のような場所を俺は想像する。 現実の俺は、狭い会議室の中で若者の言葉を黙って受け止めているだけだ。 「最近は職場にストレスしか感じないんです」 彼はそう続ける。 さも、それがたいへんなことでもあるかのように。 俺は思わず口にしそうになる。 なあ若者よ。ストレ
「大人になると、大好きなものは少なくなるんだ」(★3) そのたったひとつの大好きなものが爆弾処理とは、アナタまたよりにもよってなんというかアレですよね… と思うものの、まーここで言う「大好きなもの」ってのは自分にしかできないこと、意義がありそうなこと、生の実感を得られる何かといった何かしら「よきもの」のことだよな。これをやるためにオレはこの世にいるんだ、というようなもの。 冒頭の「戦争は麻薬でっせ」みたいな字幕がへんだ。主人公はスーパー爆弾処理マンとして活躍する前半がいちばん戦争中毒に見える。それがだんだん、うまくいかなくてへこんでいく。ただの弱い人間に戻っていく。最終的に弱い人間のままそれでも戦地に戻るのが映画のラストなんだが、このへんの心境はちょっと平和ボケの僕ちゃんの想像を絶している。 オレは「竜二」というヤクザ映画が大嫌いで、それはそもそもヤクザが大嫌いだからという子供みたいな理由
この週末は、楽しいことと悲しいことと、嬉しい出来事が次々にやってきて、いったいどんな顔をすればいいのかよくわからなくなった。 自分の気持ちを、それが言葉という形にならなくても、なるべくその通りに伝えたいと思うのだけど、そういったことに勇気が必要だと思うようになったのは、一体いつからなのだろうか。 → 先日、小学生の子どもたちと接する機会があったのだけど、彼らの反応の仕方はなんだかスーパーボールみたいで、こちらが笑えば、ぱっと、安心した顔をしてくれるのがとても嬉しかった。同時に興味を失うのもあっという間で、輪の端からほどけて散り散りになっていく背を見送りつつ、 なるべくその通りに、と思いながらもためらったりするようになってしまったのは、たぶん反応をする前に、相手がどう感じるだろうかということを、くよくよと考えてしまうからなんだろうなと思った。 でも、どんなに頭で考えてみても、実際目の前に立っ
引き潮 (ビームコミックス) 作者: いましろたかし出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2010/07/24メディア: コミック購入: 6人 クリック: 65回この商品を含むブログ (21件) を見る漫画を読んでいると、ある程度「こうなるかな」なんて予想しながらページをめくっていることがあるけれども、この「引き潮」という本は、どのお話を読んでもラストはまったく想像外のところへ放り出されるかんじだった。現実と地続きにあるような説明のつかなさがあって、つい事実は小説より奇なりという言葉を思い浮かべてみたくなる。 おちのない話を、ビール片手に聞いてるような感じ。でもけして退屈ではなく、つい前のめりでページをめくってしまうのは、やはり組み立てのうまさなんだろうなと思います。むしろ、読者の予想を予測しながら「そうならなかったこと」を語っているのではないかとすら思う、けど、どうなんだろう。
近頃Trade Mark(商標)の講義を連続して受けていて、なかなか興味深いやりとりがあったので記録しておこう。 シンガポールは中国系の人が多いけど、長い間英国の統治下にあったので英国に大きく影響されている。そういうわけでサッカーといえばプレミアリーグで、講義中に「アーセナル(Arsenal)のファンの人、手を挙げて」「マンチェスターユナイテッドのファンの人、手を挙げて」みたいなことが聞かれたりする。ここで聞かれた理由は、許可なくアーセナルのグッズを販売する業者に対してアーセナルが訴訟を起こしたケースが講義で取り上げられたから。被告は、ライセンスを受けずにアーセナルのロゴを貼り付けてグッズを販売し、アーセナルの許可は取ってませんと表示していたらしい。 模倣品の問題点の一つは、消費者が間違って買ってしまって、authorizeされたものが売れなくなってしまうことである。しかし、許可をとってい
▼▼数時間迷って、思い悩んで、結局、一言の言葉すら書けない──ので書かない、という行動を想定してみたりして、採用を検討してみたりもしてみて、推奨できますねー、ぜひぜひ選択しましょう、そうしましょう、とは、正直微塵も思えない、のに、最近は、結局、類似したことをやっていたのではないかなー、と現時点は思えている。というか思い始めた。文章化し始めたら思えてきた。書き始めるまでは思い至れなかった。 ▼▼脳裏で苦悩と熟慮を重ねながら、苦心惨憺、でも実際には動かないで、単に「動こうぜ! 動かねば!」とだけ思って、思うだけ思って──思うだけは思って、胸中と脳内でのみ自分に見せつけるようにして足掻いてみせる、というような行動を──行動は、選択したくないよなー、と考えてしまえるのは、通用しないぜ、有効じゃないなー、結局駄目行動だろ、なんて判断してしまえるようになったからであり、つまりまあ経験則だ。 ▼▼最初の
プロジェクト・グーテンバーグの校正係。本とヴォーカロイドとコンピュータ将棋をこよなく愛する人間のブログ。 ヨーロッパはさすがに先進国だと思わざるをえませんでした。 欧州議会が反 ACTA 宣言を承認したのです。 その趣旨についてスポークスマンの Jérémie Zimmermann は次のように言っています。 「ACTA は民主的プロセスを経ぬ、許し難いものである。インターネット、言論の自由、プライバシーに関係した法の制定は、密室の中で、エンタテイメント産業のロビー活動の直接的影響下で、議論されてはならない……ACTA の完全拒否が唯一の選択肢である。」 宣言の全文はこちらでご覧いただくとして、その内容をいくつかピックアップすると ○ 協定案は EU の著作権、特許権、商標に関する法を間接的にそれに一致させようとしてはならない。また補完性原理は尊重されねばならない。 ○ 欧州委員会は現在行
シンガポールからしばしの休暇でバリに行った。いろいろ楽しい旅行だったが、印象に残った一人の男について書く。 旅行先で観光ツアーに行くというのはいままでしたことがなかった。観光地にそもそも興味がない。飲んだり食ったりするほうが重要なのである。とはいえ一歳半の子供がいるので、飲んで回るわけにもいかない。車を運転してもらって観光地を回るんだったらラクだしできそうだな、と思ってはじめてツアーを頼んでみた。泊まっていたホテルのシャトルを運行している気のいいお兄ちゃんがしきりに売り込むので、ツアーをお願いすると決めたら即決だった。値段を聞いたら逆にいくらだったらいいか、というので、ガイドブックを見てそれよりも低めの値段をいったら、そのままだった。 当日ガイドとしてホテルにやってきたのはシャトルのお兄ちゃんではなく、日本のチンピラのようなサングラスをかけた若い男だった。中肉中背、浅黒い肌に刈り込んだ髪。
日銀は市中に出回っている現金に見合った形で国債などの資産を保有している。無利子の現金を発行して、金利の付く国債などを購入しているわけで、それによって得られた利益は国庫に繰り入れられている。無利子国債の発行で現金が減れば、通貨発行による利益も、減少する。 一方、無利子国債を買う側からすると、失われる金利収入を上回る相続税免除のメリットがないと意味はない。国とたんす預金の保有者のどちらが損をするのかというと、利払い費を上回る相続税収入を失いながら、通貨発行益も減少する国の方ということになる。 無利子国債の発行は、国に不利に働く。それなら、普通の国債を発行すればいいということではないか。 率直なところ腑に落ちるものではないが、これはこれでそういうことらしい。
成長戦略を進めるため、首相や主要閣僚、民間有識者が参加する「新成長戦略実現会議」が発足したことも評価したい。政策の方向性がぶれないよう監視し、省庁に確実に実行させ、政策の事後チェックをして軌道修正する。小泉政権の経済財政諮問会議のような役割を担ってほしい。 経済財政諮問会議は、表向きには鳩山政権の成立で「役割を終えた」とかされているのだけど、その理由は「国家戦略局(室)」があるから。ところが、これついに存在しなかった。政治主導確立法案も廃案になっているから、単に、経済財政諮問会議を開けばよいのですよ。
特になしかな。毎日新聞社がれいのワシントン・ポストの記事を引いているけど。 一方、米紙ワシントン・ポスト(電子版11日付)は特に日米関係の観点から日本の短命政権と小沢氏の代表選当選に懸念を表している。同氏が最近、米国人を「単細胞」と表現したことを受け、見出しは「単純なアメリカ人が気にした方がよさそうな日本の選挙」だ。 見出しは、「'?Simple-minded' Americans might want to pay attention to Japan's election」 '?Simple-minded'を「単純」と訳しているけど。 ⇒devoid of subtlety : unsophisticated; also : foolish : Simpleminded - Definition and More from the Free Merriam-Webster Dictio
何か間違えたみたいだ。元曲sm4266655モーション:sm11830156過去作:mylist/17234934
sm11856661のHD版(720p)です。HD版は・色々と粗が見えますw・カイトとレンを反省させました…?・八頭身さんのHD化は危険と判断し一部テトりました・あずにゃんを元の世界へと帰してあげました…?おまけ映像としてエキシビション的な何かを入れてあります。見たい人だけ見て頂ければいいなぁと思います。当初メイキング映像をおまけにつける予定でしたが、今作は細かい作業ばかりで説明が面倒になったのでお蔵入りですwただし、エンドクレジットにちょこっとだけ入れてあります(表示が速いので一時停止して見てね)。第5回MMD杯に関する何かはこれでおしまいになります。それではまた次の作品でお会いしましょー!みくにゃんペロペロ(^ω^)
プロにはできない・教えられない掃除法 石鹸カスは灯油で拭くと簡単に落ちる。ちなみに私自身は灯油は臭いので使わず、かわりに5-56を使った。 あれこれネットを調べていると、清掃業者や洗剤業者はめったに非極性の溶媒を使わない・売り込まないように見える。労災関係かと思ったが、フッ化水素酸は使うらしいので、おそらく色落ちによるクレームのリスクを最小化するためだろう。 クレームのリスクがないという条件のもとでは猛烈に便利な手法でありながら、プロがそれを教えるとクレームのリスクを負うので世に知られない、という手法がこの世にはたくさんあるのだろう。
前回のに続いてメモその2。今回で八巻まで行ったから、次回で終わりかな。 失われた時を求めて〈5〉第三篇 ゲルマントの方〈1〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) 作者: マルセル・プルースト,鈴木道彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/08/01メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (7件) を見るゲルマントの方、ということで、この巻から主人公一家はなんとゲルマント家に間借りすることになる。ゲルマント家といえばこの作の中ではきわめて高貴な一族ということで、それまでは雲上の人だった人たちが隣人となり、話は新たな展開を迎える。 そこで語り手は今度はゲルマント公爵夫人に心を奪われて、ストーカーまがいの真似に走ったり、親戚であるサン=ルーが兵役で駐屯している場所に赴いたりと、なんとかお近づきになろうと涙ぐましい作戦を立てる。 そんななかで次第に重要な意味をもち始めるのが
via twitch ・追記 ハッセルホフバージョンもあることが判明
――復讐が、その男のすべてだった―― 自分を貶め辱め足で蹴落とし踏みにじり侮蔑し嘲笑した人間に、報いを。 憎いヤツを殺したいか、ひと思いに命を絶ってやりたいと願うならば、それは本当の憎悪ではない。殺して命を絶つなんて、してやるものか。この世から存在を消して楽になどしてやるものか。 心の底から憎いヤツに、簡単に死なんて、与えてやるものか。 自分が味わった以上の屈辱と悲しみと孤独と痛みを与えてやらないといけない。もし殺すとしても、ひと思いには殺さない。目の前でそいつらの家族を切り刻み、叫び声を聞かせて己が罪を悔いさせ思い知らせ、それでも出来るだけ生かして永い永い間苦しみを与え続け、悔いても悔いても拭えぬ罪を覆わせて、殺してくれと懇願しても生かせ続け、そして爪を一枚ずつ剥いでやろう。鋭利な刃物で目の玉をついてやろう。まるで地獄の賽の河原の石を積むように、痛みと苦しみを重ねてやろう、永遠と見紛うほ
しゃがみ込んでカシワバアジサイ(柏葉紫陽花)をああでもないこうでもないと撮っていた。気がついたら我を忘れて息を止めて一、二分の間に数十回シャッターを押している。だめだ、まだよく撮れない。どんな草木の撮影も近頃はその繰り返しだ。我に返って深呼吸しながら振り返ると、自転車に乗った佐々木さんが笑っていた。何撮ってるの? ああ、カシワバアジサイです。そう。撮ってどうするの? 写真展にでも応募するの? いいえ、撮るだけです。へえ、と言いながら佐々木さんは納得していないのが分かる。後で名前とか特徴とか調べて、インターネットのブログに載せるんです。それが面白くて。なるほど、いい趣味だな、と言いながらまだ佐々木さんは納得していないのが分かる。腰の調子はどうですか? ダメだ。歩くのもキツくなってきた。そして佐々木さんはもう生きるのに疲れたと言い出した。この歳だしなあ、明日逝ってもおかしくない。塚本さん(故人
急に素材が来たのでwよんPの舞さんモデル(sm12032332)がこっそり配布されていたので、早速つかってみました。衣装はあらかぶP(sm11792936)、愛ちゃんは狡猾全裸富竹P(sm10731067)、モーションはイーグルハート氏(sm3361673)、ステージはVPVPWiki経由でお借りしました。重力加速度を3にしたらスカートのフワっと感が増したような気がするけど、パンチラ率もあがったような希ガス舌が浮いて見えるのはどう修正したらいいのん?教えて、エロイ人!↑舌の件について、いろいろアドバイスありがとうございます!でも、私がどうこうする前にモデル製作者のよんPが調整版を公開してくれましたw
元動画の黄色コメントが良すぎて英訳して歌っちゃいました。そのまま翻訳ではなくて、英語ロックにありそうな感じにしてみました。外国の方にもぜひ仏教を・・9/12:60000再生ありがとうございます。何回成仏したらいいですか?重い時はぜひ放送に遊びにいらしてください。http://com.nicovideo.jp/community/co16641本家様 [般若心経ポップ] おにゅうP sm11982230アレンジ クワガタP mylist/11413128詞:DC mylist/4342592PV:歩く性教育 mylist/10637816CDバージョンうpしました!エコノミーでも問題なく聞けます!→ sm13236762
銀座2丁目のスパンアートギャラリーで「オマージュ・種村季弘展」後期が始まった。種村季弘はドイツ文学者、特異なエッセイや現代美術への理解者として知られた。同展のちらしから、 錬金術、悪魔崇拝、薔薇十字団、吸血鬼、怪物、少女幻想、そしてドイツの特異な幻想小説からマニエリスムや魔術的リアリスムに至るまで、広大な西洋文化の裏側を踏破したかと思えば、場末の温泉を徘徊しながら鋭利な知のメスを使いこなし、軽妙なる思索を展開する。異色の文学者・種村季弘の仕事はその全貌を把握するのはいまだ困難で、戦中の文化的カタストロフィーによってばらばらに解体された知の断片を接合し、錬金道士のごとき秘術的手腕で精鍛した怪物的評論文はまさしく迷宮の様相を呈している。(後略・相馬俊樹) 種村季弘は1933年東京生まれ、2004年に71歳で亡くなった。スパンアートギャラリーでは「オマージュ・種村季弘展」と題した企画展を行い、1
次第に”月”が動き、地上から見えるその輪郭の大きさに変化があるのが見えた。……が、GUMIとリンにも、明らかに何か異常が起こっているとわかったのは、地表の気流が乱れてきたためだった。遠くで、《秋葉原(アキバ・シティ)》のマトリックスに流れている津波の警報が聞こえる。月の移動による潮汐力の変化で電脳空間(サイバースペース)内の東京湾(トウキョウ・ベイ)のエリアの水位が高まっているのだ。 がくぽが真摯な表情で上空を見上げた。自分の運勢の改変とやらのために、どうやら大変なことになっていることを、真剣に、なんとか理解しようとしているのは間違いないが──理解できるわけがない。 「あのさ、”月”を引き寄せるのが目的なの?」リンが、我慢できずにルカに尋ねた。 「いえ、遠ざけることです」ルカが答えた。「月が遠ざかったとき、紫微斗数の変化で北方の柄杓(北斗七星)の柄が曲がることが最も顕著な影響です」 「いや
『祇園囃子』(溝口健二監督、1953) 祇園囃子 [DVD] 出版社/メーカー: Cosmo Contents発売日: 2007/08/20メディア: DVD クリック: 37回この商品を含むブログ (15件) を見る <あらすじ> 置屋に所属せず一人で商売を営む芸妓、美代春は、没落した昔の馴染み客の娘、栄子に頼って来られ、「芸妓になりたい」という彼女の願いを聞き入れて祇園を仕切る女将のお君に借金の相談に行く。修行を重ね「美代栄」としてお披露目となった席で栄子は、車両会社の御曹司で専務の楠田に見初められ、同時に美代春も、そこで接待を受けていた役人の神崎に一目惚れされる。 神崎に取り入って大きな仕事の受注を受けたい楠田の部下の佐伯は、美代春が神崎と寝るように計らってくれと女将のお君に頼む。お君の説得に美代春はなかなか良い返事をしない。 進展しない事態に焦れた楠田は東京見物を仕組み、強引に美代
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