かけ算の教え方の歴史を調べてみて、かつては(戦後から60年代頃までは)文部省の文書でも、(少なくとも)かけ算の導入のときには順序について指導するよう指示があったことを知ったとき、30代半ば以上の大人が、そのように教えられたことをきれいさっぱり忘れて(もしかすると文部省の指示が徹底していなかった可能性もあるが)、かけ算には順序がないと思っているのは、導入の後で、交換法則を習ったからだろうと思ったが、交換法則を習うこと自体は、いま(80年代半ば以降)も同じなのに、なぜ、いまの30才以下には、かけ算には順序があると思っている者が少なからずいるのかと、ずっと不思議だった。 今は、かけ算の導入が、「1つ分の数×いくつ分」と「かけられる数×かける数」の二本立てになっているからだろうと推測したが、そのことの意味について、さらに気が付いたことがある。 遠山と数教協が、かけ算の導入を、それまでの「被乗数×乗