理系学部人気が一層強まる一方、法学や経済学など社会科学系学部の志願者数がダウン――。2012年度入試も、この傾向が続きそうだ。 福島県など被災地の大学は志願者数の減少が予想され、大学は受験料を無料にしたり、全国の高校で安全性を訴えて回ったりと志願者獲得に懸命だ。 河合塾(名古屋市)が昨年10月に実施した全国模試の参加者約28万人では、国公立大の場合、医・歯・薬・保健の医療系学部の志願者数は前年比で7%増と高い伸びを見せた。理学6%増、工学も2%増と理系は全般的に人気が高い。 文系では教育学部(教員養成課程)が2%増と堅調だが、法律・政治は11%減、経済・経営・商学は6%減と社会科学系学部は人気が急落した。河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは「就職難で、職業に直結する資格を得られる学部の人気が強まっている」と指摘した。