印刷 金子元久・筑波大学教授 ■金子元久・筑波大学教授 今回の調査結果で目立つのは、大学入試のあり方に変化の兆しが見えることだ。特に入試の形態・回数を減らすという回答が、国立で53%、公立で38%、私立で35%を占めた。増加させるという回答(2割弱)を大きく上回る。この傾向は、AO入試や推薦入試など、入試の多様化による教職員の負担が限界にきている一方で、学生の基礎学力の不足など負の側面も大きくなっていることを反映している。 さらに注目すべきなのは、学部、学科など、入試を行う単位については「大括(くく)り」化をめざすという回答が、国立で63%、私立でも39%に達している点である。一方で、明確に「細分化の方向」という回答は1割程度にすぎない。これは最近の受験生に、18歳の時点で細かく分かれた中から自分の専門分野を選ばせることに基本的な無理がある、という点が認識されてきたからであろう。現在の