28日まで開かれていたロシアのモスクワ国際映画祭で、熊切和嘉(くまきりかずよし)監督(39)の「私の男」がグランプリ(最優秀作品賞)を、主演の浅野忠信さん(40)が最優秀男優賞を受賞した。日本作品のグランプリは1999年の新藤兼人監督「生きたい」以来、日本人の男優賞は83年の加藤嘉さん(神山征二郎監督「ふるさと」)以来となる。 公開中の「私の男」は、浅野さん演じる男が20代半ばで遠縁の娘(二階堂ふみ)を引き取り、16年にわたって禁断の関係を続けながら、寄り添うように生きていく物語。桜庭一樹さんの直木賞受賞作を原作にしている。 熊切監督は98年に「鬼畜大宴会」で監督デビュー。近年は「海炭市叙景」「夏の終り」など文芸作品の映画化で力量を示している。浅野さんは90年に「バタアシ金魚」で映画デビュー。大島渚監督「御法度」や山田洋次監督「母べえ」など日本を代表する監督の作品に出演を重ね、2011年に