大阪市をなくして五つの特別区を設けるいわゆる「大阪都構想」の住民投票の投票日を17日に控え、賛成、反対両陣営の政党がテレビCMに力を入れている。有権者約211万人という過去最大規模の住民投票を勝ち抜くには、政治集会には出てこないような無党派層の取り込みがカギを握るとみているからだ。 60秒。異例の長さのCMを9、10日の週末に仕掛けたのは賛成派の大阪維新の会だ。広告塔の橋下徹代表(大阪市長)がTシャツ姿で一人語りかける。 「山あり、谷あり、地獄ありだった」 ここまでの苦労を笑顔で振り返り、「大阪都構想で大阪の問題を解決して、子どもたちや孫たちにすばらしい大阪を引き渡していきたい。この住民投票で全てが決まります。大阪を変えられるのはこのワンチャンスだけ」と訴える。 広報戦略に約4億円を投じる維新は、先月から計6本のCMを流し、「ラストメッセージ編」と題したこの長編が集大成だ。事前に放送時間を