医療の業界用語で「カリフォルニアから来た娘症候群(The Daughter from California Syndrome)」なるスラングがあるという。 意識不明や認知症など意思疎通の難しい患者がいた場合、医療チームは患者の近しい家族と治療方針の話し合いを進めることになる。このとき、普段あまり関わりのない遠方の家族が急に現れると厄介だ。これまでケアしてきた家族と異なる主張をしがちなので、現場が混乱する羽目になるという。 この手の面倒臭い親族のことを、アメリカでは俗に「カリフォルニアから来た娘」と呼ぶそうだ。 初めてこの話を聞いたとき、思わず苦笑いしてしまった。この状況は身に覚えがある。実家の親が倒れたとき、私は「カリフォルニアから来た娘」そのものだったかも知れない。 カリフォルニアから来た娘症候群 「カリフォルニアから来た娘症候群」について調べると、典型的な事例がいくつか見つかる。特に終