2011年02月26日13:38 カテゴリ経済 宇沢弘文氏の奇怪な農本主義 菅政権にゆさぶりをかける民主党議員が「TPPを考える国民会議」なるものを結成した。驚いたのは、その代表世話人として宇沢弘文氏が記者会見したことだ。彼は私の大学時代の先生であり、学問的に教わったことも多いが、90年代以降は極端な農業保護主義を主張するようになった。今回も農協新聞に寄稿し、TPPを激しく攻撃している。菅直人が「平成の開国」と叫ぶとき、「安政の開国」を念頭に置いてのことであろう。1858年井伊直弼によって締結された日米修好通商条約は、治外法権、関税自主権の放棄、片務的最恵国待遇からなる極限的な不平等条約である。「安政の開国」の結果、日本の経済、社会は、とくに農村を中心として、致命的なダメージを受けることになった。驚いたことに、彼は明治維新による開国を否定するのだ。普通の人はこのへんでついていけないと思うが