戦争と暴力のもたらすもの~安保法制とメディアの現在(1)平和への希求は歴史の事実と向き合い、それを直視すること (野中章弘) ◆権力監視を放棄したメディア 「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」(ドイツ・ワイツゼッカー元大統領) 私たちはなぜ戦争を繰り返すのか、という問いを立てたとき、その答えはこの言葉に集約されている。長年、アジアの戦争や紛争地を取材しながら、歴史から学ばぬ者に平和を構築することはできない、と考えてきた。 私たちは誰しも、平和な未来を望む。平和な未来は、平和な未来を築くための現在の努力の先にある。その現在の努力の方向性を決めるのは、過去の教訓である。なぜ戦争を起こしたのか。どこに過ちがあったのか。なぜそれを食い止めることができなかったのか。未来と現在、そして過去はつながっており、平和への希求は歴史の事実と向き合い、それを直視することから始まる。 安保法制や新ガイド