2013年7月12日 一上響*1 西口周作*2 全文掲載は、英語のみとなっております。 全文(英語) [PDF 568KB] 要旨 標準的な理論モデルによれば、ゼロ金利制約下では、インフレ予想が高まるほど、家計支出水準が引き上げられるはずである。もっとも、米国のマイクロデータを用いた最近の実証研究では、こうした関係は支持されていない。本稿は、低金利が長く続いている日本のマイクロデータを用い、様々な要因をコントロールした順序プロビットモデルを推計した。その結果、インフレ予想が高い回答者ほど、家計支出が1年前と比べて増えたと回答し、先行きは減らすと答える傾向が示された。これは、標準的モデルの結論を支持するものである。また、そうした関係は、資産家とシニア層で、相対的に強いことを示唆する結果も得られた。 キーワード インフレ予想、サーベイデータ、金融政策、ゼロ金利制約、日本 *1日本銀行企画局 E