うぶめ (京極夏彦の妖怪えほん) 作者: 京極夏彦,東雅夫,井上洋介出版社/メーカー: 岩崎書店発売日: 2013/09/09メディア: 大型本この商品を含むブログ (2件) を見る おとうとか、いもうとが、うまれてくるのを、たのしみにしていたんだ。 でも。おとうとも、いもうとも、うまれてこなかった。 おかあさんも、かえってこなかった。 東雅夫監修、京極夏彦作の「妖怪えほん」シリーズの第1弾。画家は井上洋介。このメンバーで怖くならないわけがありません。しかし怖い以上にこの作品は、人間の情念と生きることの悲しみを描いた絵本としてまれに見る傑作になっていました。 母親を亡くした子どもが、赤ん坊を抱いた血まみれの母親が現れたと、父親に訴えます。でも父親は、「いいや、とりだよ」と言って、幽霊の存在を認めません。父親は京極堂の憑き物落としのように理知的に怪異の正体を切り分けます。ここに、喪の作業の装
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