中部電力浜岡原発5号機(静岡県)の原子炉などに海水が流入した事故で、中部電力は23日、炉心の水に含まれる鉄さびの濃度が流入前の最大約1万4000倍に上ったことを、経済産業省原子力安全・保安院の専門家会合で報告した。 燃料集合体10体から内部の水を採取して調べた。鉄さびの濃度は8900ppb(1ppbは10億分の1)と、流入前の0.62ppbから大幅に増えていた。中部電は、原子炉の外でできたさびが配管などを通じて流れ込んだ可能性もあるとしている。保安院は「さびが原子炉内でできたかや、運転に影響するかなどは今後調査する」としている。 中部電は22日から燃料集合体の取り出しを開始。月末までに全872体を取り出し、原子炉内の腐食の有無を調べる。【岡田英】