千葉県の幕張メッセのコンサート会場や大阪府の関西空港などで、はしか(麻疹)の患者が相次いで報告されています。はしかは感染力が強く、空気感染もするため、集団感染が起きやすいといわれます。ワクチンで防ぐしかないのですが、一部で接種が十分でない世代もあるといいます。はしかはどんな病気で、日本ではいま、どのような流行の状況にあるのでしょうか。はしかに詳しい岡部信彦・川崎市健康安全研究所長(元国立感染症研究所感染症情報センター長)に聞きました。 【質問】はしかは、どんな病気ですか。 【岡部所長】 はしかは、同じ部屋にいるだけでも飛沫感染や空気感染する、感染力の強いウイルスです。潜伏期間は感染から1週間から10日程度で、高熱、激しいせき、発疹が主な症状です。脳炎、中耳炎、肺炎などの合併症もまれではなく、死に至ることもあります。特別な治療はなく、対症療法が中心です。妊婦が感染すると流産や早産を起こす可能
昨年3月、WHO(世界保健機関)から「排除状態にある」と認定され、撲滅も時間の問題と思われていた麻疹(=はしか)が、千葉県内で流行の兆しを見せている。松戸市で0歳から33歳までの男女10人の集団感染が確認されているほか、麻疹に感染していた19歳の男性が8月14日に幕張メッセで開かれた人気外国人アーティストのライブに訪れていたことが判明。医療機関は感染拡大を警戒している。麻疹の予防と発症時の対策について、弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長に聞いた。 「麻疹は、空気感染、飛沫感染、接触感染などさまざまな経路で感染します。感染力はインフルエンザの数倍ともいわれ、1人の患者が平均12~18人に感染させることが知られています。免疫を持たない人がウイルスに触れると、ほぼ100%感染します。感染後10日前後が潜伏期間で、せき、鼻水などのカゼに似た症状が2~4日続き、その後、40度近い高熱が出て全身に発疹
麻疹ウイルス 麻疹(ましん、英: measles, rubeola、痲疹、別名:はしか[6])とは、麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性感染症[1]。中国由来の呼称で、発疹が麻の実のようにみえる[7]。罹患すると、医療が整った先進国であっても死亡することもある[8]。日本では「麻しん」として感染症法に基づく五類感染症に指定して届出の対象としており、疹が常用漢字でないため、平仮名を用いている。 江戸時代以降の日本語でははしか(漢字表記は同じく麻疹)と呼ばれる[7]。歴史書では「波志賀(はしか)」などの当て字も見られる[9]。古くから「はしかのようなもの」の慣用句があり、「一度罹患すると二度はかからないため通過儀礼のようなもの」という意味で2度なし病とも呼ばれたが、麻疹ワクチンが普及した2000年代以降は言われなくなった[7]。 麻疹は、麻疹ウイルス[注 1]によるものであり、その感染力は極めて強
麻疹は麻疹ウイルス(Paramyxovirus科 Morbillivirus属)によっておこる感染症で、人から人へ感染します。感染経路としては空気(飛沫核)感染のほか、飛沫や接触感染など様々な経路があります。感染力はきわめて強く、麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると、12~14人の人が感染するとされています(インフルエンザでは1~2人)。 不顕性感染(感染はしても発症しない=症状がでない)はほとんどなく、感染した90%以上の人が発症します。発症した人が周囲に感染させる期間は、症状(Q1-[2])が出現する1日前(発疹出現の3~5日前)から発疹出現後4~5日目くらいまでで、学校は解熱後3日を経過するまで出席停止となります(麻疹は、学校保健安全法に基づく第二種学校感染症に指定されており、学校をお休みしても、欠席扱いにはなりません)。なお、感染力が最も強いのは発疹出現前のカタル期(Q
麻しんは、過去の推移を見ると、平成19・20年に10~20代を中心に大きな流行がみられましたが、平成20年より5年間、中学1年相当、高校3年相当の年代に2回目の麻しんワクチン接種を受ける機会を設けたことなどで、平成21年以降10~20代の患者数は激減しました。 また、平成22年11月以降のウイルス分離・検出状況については、海外由来型のみ認めており、 平成19・20年に国内で大流行の原因となった遺伝子型D5は認めておりません。 平成27年3月27日、世界保健機関西太平洋地域事務局により、日本が麻しんの排除状態にあることが認定されました。 かつては毎年春から初夏にかけて流行が見られていましたが、排除後は、海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっています。 麻しんの感染症発生動向調査に基づく最新発生報告数は、定期的に国立感染症研究所ウェブサイト に掲載されます。 また麻しん
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