<トルコのサウジ総領事館内で起きたジャーナリスト殺人疑惑は、「改革」をうたう独裁者の皇太子を欧米が放置した結果だ> 10月2日、サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギはトルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館に入った。以来、彼の消息は途絶えたままだ。 カショギはかつてサウジ王室の内部関係者だったが、後に政府批判に転じて亡命し、アメリカで暮らしていた。領事館に向かったのは、トルコ人女性との結婚を控えて必要書類を取りに行くため。トルコ当局によれば、そこで複数人のサウジ政府関係者が彼を待ち伏せ、殺害し、遺体を運び出したという。 カショギの失踪と殺害疑惑は、「アラブの春」の廃墟から形作られつつある「新たな中東」と、欧米諸国がどう付き合っていくべきかを決める分岐点になる。 たとえカショギが生きて帰ったとしても(可能性は日増しに小さくなっているが)、今回の事件は、サウジアラビアのムハ
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