「若者のクルマ離れ」が叫ばれて久しいが、自動車評論家の徳大寺有恒(71)にはクルマ離れを止める秘策があるという。氏のアイデアを聞いてみよう。 * * * 若い人の“クルマ離れ”が世間の耳目を集めるようになって久しい。日本の若者がクルマに乗らなければ、日本の自動車産業に未来はない。ところが、由々しき問題にもかかわらず、日本の自動車メーカーは気が抜けるほど危機感がない。海外で売ることばかりに目が向き、日本市場など歯にもかけていないかのようだ。 若者たちがクルマに目を向けないのは、メーカー各社が彼らを振り向かせるに足る魅力あるクルマを開発してこなかったからだ。「都心からはちょっと遠いけど、環八辺りのマンションに住んでもいいから乗ってみたい」と思わせるようなクルマを造らない限り、日本の自動車産業は間違いなくジリ貧になるだろう。 現在、日本の自動車メーカーは商業車専門メーカーを除くと8社もある。この