『くじけないで』という詩集が今年3月、飛鳥新社から出版され、現在65万部を越すベストセラーとなっている。著者の柴田トヨさんは栃木県でひとり暮らしをしている99歳の女性で、この本が処女作品集だ。 トヨさんが詩を書き始めたのは90歳を過ぎてから。夫を亡くし、体が弱って好きな日本舞踊もできなくなって落ち込むトヨさんを見かねた一人息子の勧めだった。2003年、産経新聞「朝の詩」に初投稿。自分の詩が活字になる喜びに目覚めたトヨさんは月1回のペースで投稿を続け、2009年10月、書きためた詩を自費出版。「朝の詩」時代から彼女に注目していた飛鳥新社の編集者がそれを知り、装丁を変えて自社から出版することにした。初版は1万部。 発売と同時に漫画家のやなせたかし氏が「なめらかで読みやすい。耳にやさしくひびきます」と絶賛。7月に入ると朝日新聞の「天声人語」でも「おおらかなユーモアがあり泣かせもする」と取り上げら
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