ビッグネームは中国へ? ミランのオーナーのシルヴィオ・ベルルスコーニ氏がイタリア首相の座から降りたのは、イタリア国債の金利が「危険水域」と言われる7%に上昇した数日後だった。日本で「民主主義が生まれた国だと感じた」と悠長な事を言うテレビキャスターの向こうでは、火炎瓶が飛び交うギリシャが映し出されていた。年をまたいでも、混乱は収まらない。世界の潮流に日本も当然巻き込まれ、今やレートは「1ユーロ=100円」を割っている。 世界を取り巻く事態は深刻で、ドル等に対する円高は日本企業を逼迫させている。だが、先を見通しにくい現状だからこそ、逆に何かしら光を見いだす必要がある。大局を語らずともまず身近なところに目を向ければ、例えば海外への旅人は円高の恩恵を受けている。今冬の年末年始の海外旅行者数は、不況にもかかわらず円高基調に乗って増加したという。スーパーの値札には、「円高差益還元」の文字が踊る。さらに