言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家 (中公新書) 佐藤 卓己 中央公論新社 2004-08 売り上げランキング : 59793 Amazonで詳しく見る by G-Tools「言論統制」を読了。本書では戦後、言論弾圧の代名詞のように語り継がれてきた鈴木庫三(すずき くらぞう)少佐について、言論弾圧したのは事実だけど実際は言われているような悪いヤツじゃないんだよ、ということが当時の日記を追いながら書かれています。この人のヤバイ思想に無批判なところに物足りなさを感じましたが、鈴木庫三が1918(大正7)年に*1輜重兵第一大隊の候補生として軍隊内での露骨な階級格差や古参兵、上等兵の初年兵に対する横暴、私的制裁、暴力について「人道上よろし宜(よろ)しからざるべし」「古参者より受けたる不正当にして蛮的なる圧制」「遺伝的軍隊の*2陋習」と批判しているところが興味深かったです。第一次大戦後の平時