日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は18日、全国信用組合大会であいさつし、過去最大の金融緩和の効果について、「株価は年初来で約4割上昇し、為替も円高修正が進んだ。『物価が上昇する』と考える人の割合も増えている」として、「(増えた所得を支出に回す)前向きな循環メカニズムが働いている」と自信を見せた。 ただ、金融機関の貸し出しは「大企業向け中心で、業種でも広がりがみられていない」として、幅広い規模や業種の企業が資金調達を増やし、経済が活性化する状況にはまだなっていないとの認識を示した。 一方、日銀の岩田規久男副総裁も同日都内で講演し、「(金融緩和でも)所定内賃金が上がらないと言われるが、それは慌てすぎだ。金融政策の効果が実体経済に現れるのはこれからだ」と述べた。 続きを読む関連記事日銀、消費増税後の景気予想引き上げ検討 経済対策考慮10/5日銀、金融政策の現状維持を決定 景気判断は据え置き