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ブックマーク / lleedd.com (6)

  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » アップルまみれ

    私がMacintosh に出会ったのは1986年、日語化されたばかりのMac plusでした。もちろんそのGUIにも感動しましたが、ハードウェアの仕上がりも、それまで私が接したパソコンとはずいぶんレベルが違いました。 あらゆる方向から、ちゃんとデザインされており、家電やオーディオ機器では当たり前だった醜い背面がそのマシンにはありませんでした。冷却スリットやフロッピーのスロットなども一環した思想でデザインされていました。キーボードやマウスをつなぐコネクタもシステム化されており、ともかく全体を「こった造り」が大好きな人間が作った事は、歴然だったのです。 その美意識に惚れ込んで24年、何十台というMacを使って来ました。おそらくは私の人生で最も多くの時間をともに過ごしたブランドでしょう。も子守りをしながら、SE30に向かっていましたし、娘も言葉を話す前からマウスを触っていました。 フリーのデ

    RanTairyu
    RanTairyu 2011/02/05
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » ドリームチームが作ったMUJIアプリ”NOTEBOOK”

    MUJIブランドから、iPad向けのアプリNOTEBOOKが発売になりました。無印良品のソフトウェア、しかもApple向けというだけでも十分ニュースなのですが、私にとってはさらにうれしい事件でした。この開発チームが知った顔ばかりなのです。 開発主体となった、Takram Design Engineering の創設者、田川欣哉@_tagawa君は、学生の頃から私のオフィスで働いれくれた元スタッフです。特に2001年以降の数年間は、私のオフィス兼自宅に住み込んで文字通り24時間片腕となってくれました。 その彼が、サン・マイクロシステムズからGoogleを経てtakramにやって来た川原英也@hideyaさんとともに、このプロジェクトのために集めた面々は、以下の通り。 CyclopsやTagtypeキーボードを私と一緒に製作したソフトウェアエンジニア間淳@2SC1815J 君 。On th

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    RanTairyu 2010/11/18
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » スティーブ・ジョブスの台形嫌い

    手もとにあるプラスチックの製品を見て下さい。真四角な箱だと思っていたものが、よく見るとほんの少しだけ台形になっていませんか。二つの箱を合わせて作られた製品の、真ん中のつながりをよく見ると、わずかに「くの字」に膨らんでいませんか。まっすぐな円筒だと思っていたプラスチックのキャップ、よく見ると少し、口の側が大きくなっていませんか。 プラスチックの製品は、熱く溶けたプラスチックを型に流し込んで、冷えて固まったところで取り出して作ります。そのために多くの場合、どちらかの方向に向かって台形に広がっています。まっすぐなものは型から抜けないからです。型抜きポンで作る板チョコが必ず台形になっているのと同じです。真四角の高級生チョコは違いますよ。ひとつ一つ切って作りますから。 appleの創始者スティーブ・ジョブスはこの台形が許せませんでした。Mac II以前のMacはみんなちゃんと直方体になっています。プ

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    RanTairyu 2010/03/03
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 脳内メジャー

    ものづくりの現場に関わると、計量感覚がかなり重要になってきます。 先日、ある学生に研究中の部品の既存製品はどのぐらいの厚さだったかと聞いたら「薄いものでした」という答え。「いやだからどのくらい?」と聞き直したら「えーと、とても薄かったです」。苦笑するしかありませんでした。 ものづくりの現場にいると、ある段階から「薄くしたい」では許されず、寸法を何ミリにしたいという明快な意思表示が必要になります。その経験を積むと、自然に携帯電話のキーをみて「(突出量が)0.2ミリないかも」とか、車のバンパー見て「8000R(曲率半径が8mという意味です)ぐらいか」とか習慣的に考えるようになってきます。 以前に、公共建築の家具をデザインして、お役所の人が試作品を確認する「検査会」に参加したときの事です。自分もその試作品を見るのが初めてだったので、ついいつもの調子で、椅子の肘掛けのエッジが、私の指示よりシャープ

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    RanTairyu 2010/01/09
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » iPhoneを使いこなす赤子

    骨展忘年会の土佐さんによるオタマトーン演奏もすごかったですが、もう一つ地味にすごい光景を見てしまいました。 参加者の一人がつれてきた一歳半のお子さんが、ふと父親のiphoneに手を伸ばしたのです。まだほとんど意味のある言葉も話せないのに、左手でそれを持ち、右手の人差し指でキーをスライドさせて、こともなげにロックを解除させました。唖然として見ていると、そのままアプリ一覧をスクロールして、ipodアプリを立ち上げ、自分が映っているビデオや、家族の写真を拾いだしてきて、こちらを見てにっこり。 画面の3分の一ほどしかない小さな指が、右に左に写真をスルーする様は圧巻です。それに飽きると、別なメディアアート系のアプリを立ち上げて、父親に見せたりもしていました。 特に教わる事もなく、見よう見まねで触っているうちに使いこなしたのだとか。他のケータイは使えないそうです。 少し前に、工学部の学生と、アップルは

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    RanTairyu 2009/12/21
  • 山中俊治の「デザインの骨格」 » 幻のMac OS

    もう15年ほど前になります。私たちはアップルの拠、クパチーノでインタフェース開発グループの人たちを前にプレゼンテーションを行っていました。その時に提案したのがこのDrawingBoardというMac OSのインターフェースデザインです。 提案メンバーは私と、猪股裕一さん、戸田ツトムさん、宮崎光弘さん、須永剛司さんの5人。プレゼンは大成功で、直ちに開発がスタート。 ご覧のように、あらゆるパーツが手書き風のOSインターフェースを提案したので、実装はとても手間のかかる作業でした。すべてのパーツをデザインするのにほぼ丸1年。一応私がプロジェクトのディレクターを務め、コンセプト段階では猪股さんや須永さんに協力いただき、ディティールに戸田さんと宮崎さんの手が入っています。 アップル・コンピュータ社との仕事はとても楽しいものでした。彼らのインターフェースデザインに対する情熱と誇りや、しっかりとした設

    RanTairyu
    RanTairyu 2009/06/15
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