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ブックマーク / morningrain.hatenablog.com (4)

  •  チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』 - 西東京日記 IN はてな

    ヒューゴー賞、ローカス賞、クラーク賞、英国SF協会賞、世界幻想文学大賞などSF、ファンタジーの主要な各賞を総なめにした話題作。帯には「カズオ・イシグロ絶賛!」の文字も見えます。 しかし、謎の女性の死体の発見から始まるこの小説はほとんどミステリといってもいいもので、語り手も一人称のハードボイルドっぽい感じですし、序盤のストーリー展開や各キャラクターの造形などもミステリによく見られる感じです。 ですから、舞台となる都市の奇妙で複雑な設定さえすんなりと頭に入れば、間違いなくミステリファンにも楽しめる小説です。 ところが、この都市の設定というのがとんでもないほどアクロバティックなもの。 舞台となるのはベジェルとウル・コーマという2つの都市。そしてこの都市は物理的空間を共有する「二重都市」と言えるような存在です。 一つの都市が2つに分断されている例としては、冷戦時の西ベルリンと東ベルリンがあります。

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    RanTairyu
    RanTairyu 2012/01/10
  •  東浩紀『一般意志2.0』 - 西東京日記 IN はてな

    読み終わったけど、どう語ろうか悩むでもある。 とりあえず面白かったし、わかりやすい。そして「ルソーの一般意志の考えがGoogleTwitterやニコニコ動画によって新しい形で実現する」というこののアウトラインを聞いたときにパッと思いつく反論に対しては、政治学や哲学の伝統を踏まえてきちんと答えてある。 筆者はこれから夢を語ろうと思う。それは未来社会についての夢だ。 との書き出しから始まるこのは冒頭で「エッセイ」と銘打たれていますが、「エッセイ」という言葉でイメージされるような緩さはなく、明確な政治的主張があります。その点でこのアメリカ独立革命のころのフェデラリストたちが書いた政治的パンフレットのようでもあります。 このはまずルソーの一般意志の説明から入ります。 この一般意思とは人民の個々の意志の総和とも言えるべきもので、「イギリス人は選挙の時だけ自由でふだんは奴隷だ」と言って間

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    RanTairyu 2011/12/13
  •  盛山和夫『社会学とは何か』 - 西東京日記 IN はてな

    非常に緻密な議論を自信満々に繰り広げる盛山和夫が「社会学」そのものに挑む! これだけで社会学をそれなりに追ってきていた者としては興味深いものなのですが、まさに期待通りの出来。デュルケムからジンメル、パーソンズ、ルーマンといったビッグネームをバッサバッサと斬っていきます。 「社会学とは何か」が問題となる。それはなぜか? ある意味で理由は単純だ。さきにみたように、あまりにさまざまな社会学がありすぎるのである。たとえば、介護問題に関して高齢者にインタビューすることとルーマンの抽象的で解読困難な分厚いを読むことと、いったいどこでつながっているのだろうか。(245p) このようにその発展と共に拡大を続け同時にその学問としてのアイデンティティが希薄になっている社会学、例えば、同じ社会科学である経済学などと比べると、研究対象、方法論とも曖昧としか言いようがありません。 「社会はいかにして可能か?」「秩

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    RanTairyu 2011/04/30
  •  ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』 - 西東京日記 IN はてな

    いろいろと忙しくて読むのに3ヶ月くらいかかってしまいましたが、面白かった! 都市論のバイブルとも言えるこのは、解説で訳者の山形浩生が「書のすごいところは、表層的な議論を付き抜けて、そもそも都市の質とは何かというところまで掘り下げた批判を展開できたことだ」(480p)と評しているように、まさに「都市の質」を明らかにした。 とにかく、あらゆる点から都市の問題、そして質が分析され、既存の机上の都市計画、建築家の理想、政治家の思い込みといったものが容赦なく批判されています。 山形浩生が強調するように、ジェイコズズが学者や政治家ではない「アマチュア」であったからこそ、既存の見方にとらわれずに全く新しい都市の見方を打ち立てることができたのでしょう。 読むのに時間がかかっったということもあるし要約の難しいなので、いくつかの印象に残った部分を引用して簡単にコメントを書きます。 最初に理解すべ

     ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』 - 西東京日記 IN はてな
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/04/11
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