クラスター爆弾の廃止について、社説で遺憾の意を表明しているのは、案の定、主要五紙のうち読捨新聞と3K新聞のみ。いずれも、日本が今にも「敵」の攻撃に晒される危険があるという前提で危機感と不安を表明している。この人達は、いったい何に脅えているのだろうか? 産経 クラスター(集束)爆弾の事実上の全面禁止を定めた条約案が、ダブリンで開かれていた国際会議で採択され、日本政府も支持を表明した。 これまで全面禁止案を受け入れなかった日本の方針転換は、福田康夫首相の意向とされているが、少なからぬ問題点をはらんでいることを指摘しておきたい。 第一は、日本の平和と安全が確保できるのかどうか。日本はこれまで、侵攻してきた敵を海岸線で撃退する防御兵器として保有してきた。万一の場合、海岸線が長くて離島の多い日本にとってはほとんど唯一の有効な兵器だ。 条約により自衛隊の保有分はすべて禁止の対象となるが、冷戦が色濃く残