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ブックマーク / petronius.hatenablog.com (6)

  • 近代国家を作ることの面白さ〜フロンティアを前にした時の商人の高揚感 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    昨年からこのへんおを読んでいて、すげーおもしろい!と鳥肌が立っていたんだけど、どこが面白いか、自分の中で、キーワードが生まれてきた。それは、「近代国家建設の面白さ(新領土獲得・国境確定)」ってやつなんだ。近代国家に国が脱皮する時には、その国の国府が富む過程、特に高度成長に走っていく過程で、国境の画定!という作業が、発生するんですよね。そんでもって、国が上に向いて成長している時の、近代国家の領土画定というのは、往々にして「他国への侵略と新領土獲得」とか「他民族の自国への教化」がワンセットになっている。ちなみに、日にとってこの作業が行われたのは、1850-1945年もしくは沖縄のアメリカからの復帰までの時代ですね。日の近代国家としての高度成長の100年ともいえる。たとえばいまの中華人民共和国なんかは、このへんの近代国家としての領土画定作業が、いまこそがど真ん中である!ともいえます。尖閣諸

    近代国家を作ることの面白さ〜フロンティアを前にした時の商人の高揚感 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    RanTairyu
    RanTairyu 2011/01/16
  • 『凍りのクジラ』 辻村深月著 その安定した深い人間理解に感心 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    評価:★★★★★5つ (僕的主観:★★★★★5つ) 基的にファンタジーやSFが好きで、「この世界と関係ないどこでもない場所」がみたい志向が強い僕の読書癖の中で、時々、この作品のように日常とは言わないけれども、僕らの生きている現代日の普通の生活の世界のレベルに焦点があっているだけの作品に、とても感動することがある。特にマクロも壮大な冒険があるわけでもない。こういった人間関係の哀歓は、一生懸命に生きていれば普通にあることだし、なにもわざわざ読書で読まなくてもいいじゃないかという人いるかもしれないし、僕も時々はそう思う。 こういう日常を描いた作品・・・・特に冒険もマクロの壮大さもない作品が、それでも僕の心をとらえてやまない場合の一番のポイントは、たいてい「人間質の理解の深さ」と「その描写の繊細さ」にあるようだ。 「頭のいい人」というのを皆さんはどういうものだと思いますか?。僕は頭がいい人と

    『凍りのクジラ』 辻村深月著 その安定した深い人間理解に感心 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    RanTairyu
    RanTairyu 2009/10/24
  • 『紫色のクオリア』 うえお久光著 アルフレット・ベスターへのオマージュ - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    評価:★★★★4つ (僕的主観:★★★☆3つ半) うん、傑作だ。これが、通常のライトノベル的に、読み捨てられて、来年いは絶版になって手に入りにくくなってしまうかと思うと・・・・残念だ。非常に素晴らしい作品。それにしても、ライトノベルって領域というかブランドというカテゴリーってまさに、よく出来た!って思うよ。こういうカテゴリーがなければ、こういう作品は出てきにくかったろう。 この作品を語るべきポイントは、下記に書いたの後半の『1/1,000,000,000のキス』のスピード感になるんだろうけれども、第一章の『毬井についてのエトセトラ』の、世界とのズレを・・・・この世界とは異質なものがあることに気づいていく、じぁーっとした恐怖感、気味悪さは、最高だなぁ。こんな感覚、がんばってフィリップ・K・ディツクを読んだ時以来だ・・・。これをほとんど、労力をかけず読めるのだから、この平易さ大したもんだなぁ・

    『紫色のクオリア』 うえお久光著 アルフレット・ベスターへのオマージュ - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    RanTairyu
    RanTairyu 2009/10/09
  • 『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹 単純な「母なるもの」ではないなにかへ触れる感覚 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    テーマ:物語:W村上を通してみる現代日 評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★星5つ) 村上春樹は、分かりにくい作家です。いやそういう風に言うのではなく、歯応えのある文学性を持っている「にもかかわらず」エンターテイメントとして人をひきつける力のある、現代日の稀有な、、、ほとんど唯一といっていい作家であるといっていいと思います。難解なだけのブンガクはたくさんありますが、それは分かりにくいとは評されません。理由は「人々が分かりたい」とは思わないからです(笑)。そういうものを書いていてはだめなんだと僕は思います。 さて文章に読みなれていない人が。『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニクル』などを読むと、チンプンカンプンでしょう。やはり、まずは筋があって分かりやすく短い『回転木馬のデットヒート』『ノルウェイの森』あたりから始めるのが妥当だと思う。それに村上春樹は、はっきりとした境のある成

    『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹 単純な「母なるもの」ではないなにかへ触れる感覚 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    RanTairyu
    RanTairyu 2009/08/22
  • 【映画版エヴァ破考察 その弐】 庵野秀明は、やっぱり宮崎駿の正統なる後継者か!?〜「意味」と「強度」を操るエンターテイメントの魔術師 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    映画版ヱヴァ破考察 その壱】僕たちが見たかった「理想のヱヴァ」とは?〜心の問題から解き放たれた時、「世界の謎」がその姿を現す http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20090710/p2 続きです。 ■そこに世界があるという群衆シーンと世界の風景の精密さが、そこに「ある」というリアル感を再現する もう一つ、この新映画版が、テレビシリーズと大きく異なるところは、 (1)人物・群衆シーンの大幅な挿入と細かい演出 (2)世界の緻密な描写〜モノそのもののリアル〜得る強度 です。(1)は特に感動した人も多々いると思うんですが、予算の問題をクリアーして技術(CG)のレベルが上がっているからできることなのですが、群衆が非常に多く細かく書き込まれているいますね。いってみれば、その他、無名の人々。たとえば、テレビ版では、「その他のクラスメート」というのは非常に影の薄い

    【映画版エヴァ破考察 その弐】 庵野秀明は、やっぱり宮崎駿の正統なる後継者か!?〜「意味」と「強度」を操るエンターテイメントの魔術師 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    RanTairyu
    RanTairyu 2009/07/20
  • 『Landreaall』 13巻 おがきちか著 より深い世界を、エンターテイメントのテンプレートで - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

    ■より深い世界を、エンターテイメントのテンプレートで すばらしい、、、、書きたいことはたくさんあるが、当に素晴らしい。そして、、、いつも思うことだが、僕が死ぬほど好きな作品は、人気を失う可能性が高く(笑)、13巻の話をかなり早めに収束させたのは、英断だったと思う。そこに悩むのが、時代を超える傑作になるキーなんだ。より深い世界を、よりエンターテイメントのテンプレートで、、、最近わかってきたものがある。僕がバランスと呼んでいたものだが、エンタメとその時の読者の年齢層や「好むカタルシス」というか、なんというのかなぁ、非常に短絡的な単純な普遍的な面白さっていう「意匠」をギリギリの線で、維持しながら「深い世界」・・・世界の真実を描こうとする時に、時代を超えるエンターテイメント作品ができるようなのだ。そして、この素晴らしい物語は、「そこ」へまっしぐらに向かっている。素晴らしい、まったくもって、普通の

    『Landreaall』 13巻 おがきちか著 より深い世界を、エンターテイメントのテンプレートで - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
    RanTairyu
    RanTairyu 2008/11/28
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