9月に講演と調査を目的に訪韓した。蔚山発展研究院で北東アジアについて講演した。その狙いは、蔚山港湾公社の社長や同研究所の研究者たち曰く、蔚山市を北東アジアのエネルギー生産拠点に再構築するための研究の一環とのことだ。具体的には、ロシアや北朝鮮から資源を調達し、蔚山市にある韓国エネルギー会社最大手のSKなどで加工生産し、世界に向けて輸出するという構想である。釜山市の北に位置する蔚山市は、韓国一の産業都市であり、すでに大規模なエネルギー加工生産施設を兼ね備えていることから、資源さえ調達できれば可能性は十分にある。 一方、企業訪問をベースにした調査では、韓国に進出している日系企業の経営トップと議論した。話題になったのは、ドメスティックな日本の電力やガス会社が、ここにきてそろって海外進出に乗り出しているが、すでに海外進出の経験が豊富な韓国電力公社や韓国ガス公社と上手く組むことはできないだろうかという