(英エコノミスト誌 2010年2月6日号) 投資家は電気自動車の新興企業のために小切手帳を取り出している。 全く新しい産業の誕生を予感させる資金調達のことを、「Netscape moment(ネットスケープの瞬間)」と呼ぶ向きがある。 ブラウザー企業ネットスケープ・コミュニケーションズが1995年に行った華々しい新規株式公開(IPO)を懐かしく振り返るシリコンバレーの面々にとっては非常に大切な感覚である。 そう考えると、ソフトウエア業界出身の起業家シャイ・アガシ氏が1月下旬に、まさにこの言葉を引き合いに出して、HSBC率いるコンソーシアムから自身の会社ベタープレイス(本社カリフォルニア州パルアルト)に3億5000万ドルの投資を迎え入れたことも驚くには当たらない。 世界で保有台数が増加している電気自動車向けのインフラ供給会社のトップを目指しているベタープレイスは、2年間で7億ドル近い資金を集