(2010年11月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ロンドンやニューヨークのデスクにいると、資本が新興国市場に流れていると言われても抽象的な響きしか感じられないかもしれない。だが、マネーは間違いなく、形のあるものに流れ込んでいる。大西洋のサントス海盆の油田、ロシアのオンラインネットワーク、インド・チャッティスガル州の炭鉱、中国の大手銀行の地方支店などがその代表例だ。 ここに挙げた資産は、過去4カ月間にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の各市場で株式を売った4つの企業がそれぞれ支配しているものだ。この4社は新規株式公開(IPO)や株式売り出しによって計540億ドルもの資金を調達し、その額に見合った大きな熱狂を巻き起こした。 BRICs諸国で株式ラッシュ、次々塗り替えられる史上最大の資金調達 だが、この現象は同時に、一部の市場関係者が懸念を抱く理由を端的に示すものでもある。B