鎌倉の海辺をのんびり歩いていると、ふいに目にとまる淡いピンク色の貝殻があります。 桜の花びらのように、ほんのり色づいていて、透明感があって、可憐で、美しい。 とても軽くて、薄くて、そっと優しく触れないとこわれてしまいそうな繊細なもの。それが、桜貝です。 潮の満ち引きや風向き、海流によって、気まぐれに波が海岸に運んできてくれますので、必ず拾えるとは限りません。 砂浜に毎日たくさん届く、海からの贈りもののなかに桜貝を見つけたときは、 ずっと探していた宝物を拾ったような、良いことが起こりそうな予感がするのです。