11月30日、ITmediaビジネスオンラインに「出版不況の中、大手書店企業は増収 なぜ?」と題する記事が掲載された。 記事によると、どうやら大手の書店は本業の書籍販売で売上を伸ばしているわけではないようである。電子書籍との連携や、カフェの併設などといった経営の多様化によって業績を伸ばしている。先日は、東京の神保町で岩波ブックセンターを経営していた信山社が、破産手続きを開始したところである。依然、紙の書籍は売れていない。 岩波ブックセンターは、人文・社会科学系の専門書が充実していて、その分野を学ぶ学生や研究者から大変重宝されていた。専門書は手に取って読んでみなければ、選ぶことができない。しかしすでにセンターは「しばらく休業」の状態である。同じように専門書を扱う多くの書店が、惨憺たる状況である。 これら一連の流れについて、この数日の間、筆者は色々と考えを巡らせていた。原因は、情報社会が浸透し