人はどんなときにお金を払うのか? だいぶ前の『週刊アスキー』の連載「神は雲の中にあられる」(2013年の924号)で、私は、どんなときに人がお金を払うのかというお話を書いた。その頃の日本では「マネタイズ」という言葉が流行っていて、ネットサービスを考えている人から「会社からマネタイズはどうやってやるんだ」と突っ込まれてゴーサインが出ませんなんてことをよく耳にした。 日本で「マネタイズ」というと、楽天の三木谷社長が『週刊東洋経済』(2005年10月15日号)でフジテレビを「メディアミックスをいちばんうまくマネタイズ(収益化)できている」と答えたあたりが早かったとされる。さすが三木谷さんである。マネタイズは「結果論」で使うべき言葉なのだ。 とはいえ、企業はお金を稼げないとやっていけないのも事実だろう。そういうときに、きちんとお金を払うことに関して研究されていないから、つまらないマネタイズの議論に