「死刑制度絶対必要」と書かれたビラを配る犯罪被害者の会(あすの会)のメンバーと犯罪被害者支援弁護士フォーラムのメンバー=10月、福井市体育館(宮沢宗士郎撮影) 「忠臣蔵」人気 この時期になると決まって忠臣蔵の話を書きたくなる。昨年の今頃も当欄で討ち入りに触れたが、今年もまた、いや今年は例年に増して書きたい気持ちが募っている。東京・国立劇場の開場50周年を記念して現在、『仮名手本忠臣蔵』が歌舞伎と文楽で通し上演されていることも理由の一つではある。 『仮名手本〜』の時代設定や登場人物名は史実と大きく異なる。幕府の目をはばかったためで、幕府にすれば討ち入りは違法な集団暴力であり、これを美化する劇など許されるはずがなかった。初演は討ち入りから47年目の寛延元(1748)年。四十七士を仮名(いろは四十七文字)に仮託し、義士こそ武士の手本とたたえ、大石内蔵助の蔵を忍ばせて忠臣蔵とした。 メタファー(隠