米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイについての報道に触れるたびに、素朴な疑問がわいてくる。沖縄県の米軍普天間飛行場への配備はおろか、山口県の岩国基地への搬入にも、反対の声が強い。安全性への疑問をことさら強調する、一部メディアがそれを後押しする構図だ。 ▼確かにオスプレイは、最近モロッコと米国内で墜落事故を起こした。もっとも米海兵隊がすでに約140機を運用するなか、米軍統計では事故率は10万飛行時間あたり1・93と、海兵隊の全航空機平均2・45とはかなり隔たりがある。 ▼そもそも日々乗務するのは、海兵隊員である。危険性が高いと判断されれば、すぐに米軍が運用を中止するはずだ。人口密集地に落ちるのを心配するのなら、なおさら名護市辺野古への移設を急がなくてはならない。なぜか、オスプレイ配備反対と移設反対の声は重なって聞こえてくる。 ▼事故はあってはならないが、ゼロにするのは難しい。平成11年11月に埼