福島県産米を巡る市場の風向きが変化している。高付加価値化が進む家庭用米は、会津産コシヒカリがインターネット通販で上位にランクイン。多量安定供給が求められる飲食店や中食向けの業務用米も、業者の引き合いが東日本大震災前より強まっている。ニーズの高まりは、東京電力福島第1原発事故による根拠のない風評が風化する潮目になるのか。福島のコメの生産と流通の今を探った。(報道部・門田一徳、福島総局・高橋一樹) 家庭向けコメ販売で「会津ブーム」が起きている。 ネット通販大手アマゾンジャパンの売れ筋ランキング。2017年産の会津産コシヒカリは昨年10月の発売以来、トップ3入りが続く。山形県産「つや姫」、北海道産「ゆめぴりか」などのブランド銘柄を抑え、上位ランクの常連だ。 販売数量は、わずか2カ月で前年実績の半分に当たる約250トンが売れた。 パルシステム生活協同組合連合会(東京)でも会津産コシヒカリが人気を集