シンガポールで行われた米朝首脳会談。会談とその後に出された共同声明をどう評価するか。今後の米朝対話の課題は何か。専門家に聞いた。 合意の文書化に意味 宮本悟氏 聖学院大教授(北朝鮮政治) 米朝が和解の方向に向かったこと自体が一つの成果で、合意を文書化しただけでも大きな意味がある。和解するからこそ非核化ができ、国交正常化ができる。まだ完全に和解したわけではないが、ターニングポイントを迎えたことは間違いない。北朝鮮の最高指導者として誰もできなかったことをやったという点で金正恩委員長にとっても大きな成果になったと言えるだろう。 トランプ米大統領は、対話継続中の米韓軍事演習の中止について言及した。北朝鮮に対し安全保障を与えるという米国側からのメッセージと言える。北朝鮮に体制保証の根拠を与えることで非核化の可能性は高まる。順調にいけば今後、首脳会談が重ねられ、非核化に向けた協議は、米朝だけでなく国際