35年前の夏、僕は十和田市にいた。 愛車はYAMAHA FZR1000。北米仕様140馬力の逆輸入車だった。 そのバイクで、親友に会いに藤崎町まで行く予定だった。 十和田湖経由ののどかなルートをバイクで走るのが楽しみだった。 ところが、出発前日に親友から連絡が来た。「彼女が仙台から会いに来るから、今回はキャンセルな。」 酷すぎる。 恋愛優先はわかる。 でも、僕だって久しぶりに会えるのを楽しみにしていたんだ。胸の奥にモヤモヤが残った。 「どうせすることもないし、このまま家にいるのも嫌だ」 そう思って、昼頃にFZR1000に跨がり、青森までのツーリングに変更した。 十和田湖経由の予定をやめて、田代平経由で青森方面へ向かって走り出した。 夏の青森の昼下がり、風を切ってスッ飛ばすと、少しだけ気分が晴れる気がした。 青森に着いてから暗くなるまでのことは全く覚えていない。 ただ一つ、今でもはっきり覚え

