茂木健一郎氏の「日本の大学のガラパゴス化」という文章について思うところを書く。 【追記:2010年5月28日】 ここに書いたことのうち、提案の部分は、ある特殊な課題への対処策として立案したものであり、さらに、おもに人文系の大学院を想定している。その点で、あらゆる大学院専攻に適用すべきものとは、筆者自身も考えていない。また、専門職大学院が孕む問題点も承知しているが、ここで主眼としたのは、大学と企業などが積極的に協同してカリキュラムを作り上げてゆく過程で、相互に生じることが期待される変化である。つまり、大学が変わると同時に、企業側の認識も変えてゆくということだ。 ただし、現状でまず検討すべきは、アカデミアの教育に汎用性をもった能力(論理的思考、メディアの批判的リテラシー、討議力など)の育成を意識的に組み込むことだろう。人文系に限れば、論文を書くための最低限の条件は、ごく一般的なリサーチの技術や