2010/12/17:0 迷走する運命にあるワーク・ライフ・バランス政策 筒井淳也 ◇両立支援が充実しても…◇ 萩原久美子による『迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ』は、ワーク・ライフ・バランスの問題が、「両立支援が整備されていない」ことの問題であるというよりは、「両立支援が充実してきた環境で働いているのに、仕事と家庭を両立することの苦しみは依然として存在する」ことの問題であることを見抜いた貴重なエッセイである。 そして結局のところ、子持ちの働く女性たちは、「これだけ苦労して両立する価値がこの仕事にあるのか?」という気持ちにたどり着く。 働いていても、仕事を続ける目標が見えない。なのに、このあわだたしさ。神経を張り詰める日々。何もかも中途半端な気がする。これが、「家庭も仕事も」と走り続けた結果なのだろうか。ただ「働き続ける」だけならば、このさき、なにに夢を持てばいいのか。
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