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2016年7月7日のブックマーク (1件)

  • 書斎の窓 2016年7月号 ウェーバーの社会学方法論の生成①社会科学は何をする? 佐藤俊樹

    1. たぶん私の専門分野は社会学になるのだろうが、実は勤務先の大学では、1〜2年生に統計を教えている。これはこれで結構楽しい。 社会学と統計学は、ふつう思われているより、はるかに関係が深い。例えば、社会学の基的な分析手法はM・ウェーバーによって形作られたといっていいが、その方法論に大きな影響をあたえた学者は2人いる。1人は新カント派の哲学者H・リッカート、もう1人は生理学者で統計学者のJ・フォン・クリースだ。著作でいうと、リッカートの『自然科学的概念構成の限界』(1902年)、v・クリースの『確率計算の諸原理』(1886年)である。 そして、これはきわめて現代的(アップ・トゥー・デイト)な問題でもある。2人の専門分野からわかるように、ウェーバーの方法論の形成は、文科系の学術と理科系の学術がどう関わりあうかへの彼なりの答えでもあった。向井守が『マックス・ウェーバーの科学論』(ミネルヴァ書房