大学や研究機関に所属せず、在野で研究を続けている人たちがいる。変わり者と思われがちだが、中には驚くほど高いレベルでの成果を挙げている人物も存在する。そんな現代の在野研究者たちの生き方に光をあてた編著『在野研究ビギナーズ──勝手にはじめる研究生活』(明石書店)が話題になっている。編著者の荒木優太さんにお話をうかがった。 ──荒木さんはご自身も在野研究者であるということですが、今回のような本を出版されたということは、ご専門は「在野研究者研究」ということになるのでしょうか……? 荒木 いえいえ、そう思われかねないことは自覚していますが(笑)、私の研究分野はあくまで日本近代文学研究で、なかでも有島武郎を専門にしています。 ──有島武郎(1878~1923)といえば、明治・大正期に活躍した白樺派の文学者ですね。しかし、これまでのご著書を見ても、南方熊楠(博物学)から小阪修平(哲学)までの16人の在野