父は福島原発の誘致にたずさわった県庁職員だった 165万部のあの写真集を担当した元上司に聞いてみました[1] 鈴木久仁子 編集者・朝日出版社 はじめまして。鈴木久仁子と申します。私は2000年に朝日出版社という会社に入社し、高校生に連続講義をした本や、ノンフィクション本などの編集をしています。怠け者で、あまり本をつくりませんが、仕事はすごく楽しいです。 今回、「神保町の匠」担当の方に声をかけてもらい、「出版界や本のことであればなんでも書いていい」とのことですが……自分に書けることが思い浮かばなかったため、身近な人に、こんな機会でもなければ聞かない話を聞いてみようと思いました。今回登場するのは、元上司の赤井茂樹さんという人です。 赤井さんは1956年生まれ、84年に朝日出版社に入社、91年に篠山紀信さん撮影、樋口可南子さんが被写体の『water fruit』、165万部のベストセラーになった